ぺんぎん舎にて/はなびーる
ったから
どこにもいけなくなった
うえをむいてみた
うえをむいたら、ゆきがふってきた
ぼくのうえにだけふるゆきが
ぼく、ゆきをたべていた
きみは
ぼくだった
きみのうえにふるゆきと
ぼくのうえにふるゆきは
いっしょだった
ぼく、きみのまねをしていた
からだゆらゆらゆらして
きみとぼく、ずっとゆきをたべていた
あう、あう、あう、あう、あう、あう、あう、あう…
どこにもここにもゆきはふってきて
きみのなかまもぼくのなかまもみえなくなって
とうとうきみとぼくだけになった
きみは、うれしかった
ぼくも、うれしかった
ゆきはすこしもつめたくなんかなかった
あまい、あまい、
ふるさとのゆきだった
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