蜘蛛/
岸
散り散りに成つて立ち止まる、僕等の目指したあすこは、
もう霧に霞んで見えなく成つた。
錆が零れる器、
ただ欲しいと手足を引つ掻いて哭く。
ささくれた指をどうか包んではくれまいか、
笑つたとこに君が居たから。
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