『夕涼み』/しろいぬ
 
夕涼みに飽きて

地平線へ君を沈めた

ぬくもりと共に沈めた

幾つもの日々を沈めた


夕涼みに飽きて

突き抜けた夜の先を想った

ぬくもりを求めて

冷えた心に息をかけた

ぐっ、と 伸ばした手は

懸命に空を掻いた

何を亡くしたのかも分からず

懸命に空を掻いた

戻る   Point(5)