タイミリックマシーン/ロカニクス
色に染まりゆき角は擦り切れる
昔の景色を思い出しながら
憂鬱なるタイミリックマシーンに問いかける
おまえにはきっと奇跡があるんだろう?だろう?ろう?
僕に奇跡があるのなら
いまだこうして思考回路機能が
スムーズに働いていること
どうして壊れてくれないの
博士の慈しみが恨めしい
タイミリックマシーンはオイルをこぼした
密室に閉じこもった彼に
優しいハンカチの摩擦が響いた
名も知らぬ人のハンカチ
都会がどんどん崩れゆく音
成長する音はそれを上まわり
辺鄙な海辺のこの家には
タイムマシーンが幸せを運送する音も届かない
変だなちょっと前まで聞こえたのに
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