黒い大地/結城 森士
 
金属が激しく鳴り響くような盲目の世界で
sufferの影の歩みに合わせ荒い呼吸を繰り返す大地

風すら消えた暗闇の空間には星すら瞬くことがなく
――夜の螺旋階段を登っていく音がする――
幾千の雨の中にも霞んで消える黒い太陽の花
盲目の女は傘を差して孤独の中で震えている

sufferの黒い影は時折、裸足の重みを確かめる
――乾いた扉を開ける音がする――
盲目の女はsufferの名の下に立ち止まり
旋回する意識の中で空虚は広がっていき
世界は音も立てずに崩れ落ちていった

視界から色が失われても、聴こえる音は旋回を続けた
sufferの名の下に、理由も無く涙は溢れる

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