『朱瞳』/しろいぬ
 
ない











君は

朱い朱い僕の手を

不思議そうに眺める







頬で凍りついた涙を

閉じかけた瞳で見つめる







ごめんね







僕は 君の頭を軽く撫でる





君は くすぐったそうに眼を閉じ





僕の手をぺろりと舐めて



















僕の   手を   ぺろりと   なめ て――


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