頸飾り/白雨
 
 黄色い街の夕刻を
 雨が飾りのように降り出した
 人はみな 気付くまい
 この少女の頸の宝石に。
 若い男は髪ばかり
 中年男は 胸と脚、
 年増の女は 一瞥くれて
 皮肉をたれる。
 けれども僕は、
 今風のネオンには騙されぬ、
 生得的な美しさには惑わされない。
 ただこの頸の宝石は、
 人の悩みを打ち砕く
 ひとつの奇跡!
 
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