ハッカ水/水在らあらあ
 
水の 僕の血液は

僕がいなくて 君がいいこともあるんだね
君がいなくて 僕がいいことなんてないのに


包丁研ぎの笛の音で
目を覚ました
首筋の痛みに
この国の若者たちの
未来を感じ

痣になった頬を
ひっぱたいてから
切れた唇に
君が口づけるから

「僕がいなくて君がいいことなんてないんだね」
「はじめっからいなければ良かったのよ あんたなんか」

なあ、
君と一緒だからいいんだ
ハッカ水のぼくの血液は

甘酸っぱい君の血を僕の血で割って
日当たりのいい部屋で
二人で
しゅわしゅわ
涼しい音を立てていればいいんだ





戻る   Point(25)