ハッカ水/水在らあらあ
水の 僕の血液は
僕がいなくて 君がいいこともあるんだね
君がいなくて 僕がいいことなんてないのに
包丁研ぎの笛の音で
目を覚ました
首筋の痛みに
この国の若者たちの
未来を感じ
痣になった頬を
ひっぱたいてから
切れた唇に
君が口づけるから
「僕がいなくて君がいいことなんてないんだね」
「はじめっからいなければ良かったのよ あんたなんか」
なあ、
君と一緒だからいいんだ
ハッカ水のぼくの血液は
甘酸っぱい君の血を僕の血で割って
日当たりのいい部屋で
二人で
しゅわしゅわ
涼しい音を立てていればいいんだ
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