ワタシ/
yaka
頭を下げるワタシ
カッコわるいワタシ
けど本当のワタシは
そんなとこにいない
本当のワタシを
わたしはちゃっかり
たとえば満月の夜に置いてある
たとえば公園のブランコに
たとえば詩織といっしょに
ハードボイルドに挟んであるから
頭を下げるワタシを
ワタシだと思い込んでいる課長を
化かしているみたいで
ちょっと良い気分だけれど
そういう課長もおそらく
本当のワタシを
日曜日の釣り堀に
置いてきていると思う
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