謎本/freakscene
 
も1つだけピースが見つからないから
粗大ゴミと一緒に捨ててしまったはずだ

周りを見渡せば
部屋を支配していた黄金色は
のっぺら坊な月の光に姿を変えていた

ああ この本は
僕から出入り口を奪うために
生きているんだ

自棄になって
その本をもう一度開いてみたら
真っ白なページの上に
赤い瞳と青い舌が現れて
青い涙と赤い唾を飛ばしてきた
それも 
壊れた蛇口から噴き出したかと思うぐらい
思いっきりぶちまけてくれたんだ

びしょぬれになった顔を必死で拭きながら
人を馬鹿にするのもいい加減にしろと
その本を睨みつけたら
真っ白なページはこんな答えを用意して
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