真 空/
有邑空玖
息を張り詰めて高まる鼓動を押さえ付けて刃先で少しだけ小指を切る感触。
頭上には遙かな空と星とそれ以外の色々な何か。
心臓の音が聞こえるのは耳を澄ますから、ねえ
時が止まらないのはどうして？
校庭の隅に咲く向日葵も秋に成れば死んでしまう（違うよあれは只睡って居るだけ）
誰も望まないのに生まれて来たんだ、僕等。
それは殺意にとても良く似て居る。
空みたいに、
正しければ良かったのにね。
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