対価/ウデラコウ
 
鈍よりと 鈍くうねる雲が 晴れた日の青空を見ないように
目の端々に次々と映っては消える発電所や川や小さなアパート群を幾つ越えても
君を見ることは叶わない


言葉殺しの使い魔が 次々と僕の口から言葉を奪って

本当に本当のトコロは未だ胸中奥深く自分の存在に気付けないまま
焦る僕を無視してのんびりと大欠伸


僕の髪は真っ直ぐになって キラキラと光の輪をつくるのに
それを誉めてくれた君はもういない


歩み寄ることをせず わかりあったつもりで
結局のところ 一人で踊っていただけ


あぁ、もう意味のないこの髪など 月のない夜に
バッサリと切ってしまおうか

君が美しい太陽のもと たいそう愉快に笑っているのなら



僕の願いが全く叶わなかったわけじゃないから



対価として払うべきものがコレなら
それも悪くない




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