愛するものへ詩いたい/Lucy.M.千鶴
 
橋の上までくると
河から
海の薫りがしたので
驚いて 顔を上げる

横浜
赤煉瓦倉庫あたり
花火大会

あなたは わたしの 手を引いて
前を行く

こんなに 沢山の人の中で
あなたに はぐれたら
方向音痴の わたしは
ひとりで 家へ 帰れない

こんなに 沢山の人の中で
あなたに はぐれたら
方向音痴の わたしは
ひとりで どう生きて いいのかさえ
わからない

あなたに
ついて行く ばかりの
わたしだけれど

もしも
あなたに
なにか あったら

わたしの全てで
あなたの全てを
守りたい

あなたの すべてを
この こぼれ落ちる 涙の真珠で
優しく 飾りたい

この世に
本当に



と云うものが あるのなら
この感情こそが

愛―――。

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