そして幾つもの夜が過ぎ/atsuchan69
 

 彼女は導かれるように
  こちらを向いて立ちあがり、
   「よくぞ無事で戻りました
  私を抱きよせるように
       両手をまえに出し
      私が行くと
          たちまち、
       声を上げて
             泣いた//

 やがて年老いた族長は高座から降り立ち、
  「さて、
 呪われた息子よ、
 汝が放った力のまえに
  運命はいとも容易く敗れ去った
  その力の源とは何であろう?
 と、尋ねた‥‥

 私は言った、
  「占いをけして信じないことです
  口寄せのことばより、
  まず自分とその家族のこと
[次のページ]
戻る   Point(4)