木々の行方/たりぽん(大理 奔)
 
ただ激しいだけの
夏の日差しにひからび
立ち尽くす老木が
通り雨に打たれて
季節の終わりの
重苦しい空に投げだす
涙をのせた
手のひら

(それはわたしじゃない、わたしじゃない)

届くのか、届かないのか
行方のことなど
語らずに







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