金平糖の降る頃/
けんご
やがて空から
金平糖が降り始めました
おんなのこ達はうれしそうに
てのひらを広げ
中にはスカートですくっているこもいます
王様は銀のスプーンで少しずつ口に運ぶし
乞食は必死に袋につめています
金平糖が止む頃
夏の終わりのかみなりが
浜辺の樹木に落ちました
今日のできごとは明日の新聞には載りません
かくて夢見る人々は
また一日寿命をすり減らし
積乱雲の空を見上げたのです
戻る
編
削
Point
(6)