雨の降る夜/
朱華
降りしきる雨は
聴覚の機能を麻痺させ
私を雨だれの檻に閉じこめる
無感情なアナウンサーの声に読み上げられる
天気予報
この檻がいつ上がるのかが私の専らの関心事だ
空ではカミナリ様が宴会をやってるらしい
稲光におくれて付いてくる音の感覚が狭くなる
“近い”
激しい音に耳を塞ぎふと下を見た
「 お 臍 を 隠 し て な い ! ! 」
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