運命/
海月
出て行った
点滴の雫が涙に似ていた気がした
妻の望み 病を治すことではなく
は
愛する人 最後まで過すこと
と
運命 皮肉なもので
は 交差を繰り返し
一秒違い 約束は破られる
で
理由は自分の胸に問いただした
妻が言いたかったこと
妻に言うべきこと
重ねた薬の包み紙
風に吹かれて床に落ちた
僕の瞼は優しく閉じた
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