829/AKiHiCo
 
幸せが判らない
楽しい事ってどこにあるの
見えない眼で涙を流して
誰かに救いを求めてはみるものの
そうだった
僕を誰からも必要とされていないんだった

見つからない
悲しみの紺碧に沈められたまま
呼吸が危うくなるのを
誰かが嘲笑しているのが聞こえる
そうだよ
僕が消えても誰も気付かない

産まれてきたのに
笑い方を知らないまま
今まで生きてきた
破れたコートで身を隠すように
裸足で歩く硝子の破片だらけの街
滲む鮮血は見ない振りをして
そっと僕の意思を残す

信じるって何だっけ
偽物ばかりが飛び交う場所で
消されてゆく不必要なものたち
もうすぐ僕にも告げられる

脆すぎる心に刺さる痛み
ここで生きてゆける盾を与えて
麻酔を誰か投与して
螺子を廻せば零れる涙は汚く
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