「国」と「生きる」と/逢坂桜
以前に映画化された 大誘拐 (創元推理文庫)、ご存知だろうか?
紀州の富豪家を誘拐して、5千万をせしめようとした若者たちに、
当の誘拐された本人が、100億の身代金の請求を要求する、という話。
主人公の一人は、年配の老女である。
文中、老女は、言う。
・・・・・・お国って、私には何やったんや。
将来を嘱望された長男は、戦争に徴兵されて、戦死した。
優しい長女は、学徒動員の最中、兵器工場で爆撃にあい、死亡した。
まっすぐな三男は、海軍で、特攻隊に指名されて、死んでいった。
そして、戦争が終わった後・・・
命残り少なくなると、相続、が、頭に浮かぶ。
家の主が三代という
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