「汐の辛味」/鷲田 岳
認知を忘れた少年は老人となり、木の葉を千切って食べる。
根っこが腐敗する。
汚物が伝染され煙が肺を膨らます。
エナジーは陰を隠し、顔面が黒くなる。
遺伝子が合致した悲劇は階層に横たわる。
高層ビルが自然の恐怖に慄き、凍解が瞬間、霊歌から合唱する。
不気味な 笑いは魂となり纏わり付く。
シャーマンが祈りを捧げる、明日、腐敗水槽。
綺麗な君の瞳がそっと微笑む。
すべては浄化されると信じた昨日に使途が舞い降りる。
ヒカリ幻覚の症状に魘され、今度は木の枝を圧し折る。
汚されたまま、歩く。
地点で水平に着陸する。
天気が予報に期待され、大海原からの大量の海雨が汐の辛味で育った小さな芽を救済する。
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