ばんかのはごろも/
ひより
その朝 北の窓辺のカーテンは ゆっくりと
大きな呼吸した
潮の香りは
「訪ねよ さすれば 息つく夜を捧げよう」
鳴く鳥に委ねた
わたしは
一日中 呼吸していた
呼吸する潮の香り
うみねこな
夢みる大きな翼
大地は
その夜わずかに熱を奪われた
暑さ寒さも
呼吸する きみに 魅せられて
晩夏の羽衣 身に纏い
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