八月/span
俺がROCKから教えてもらったのは
俺が詩人から教えてもらったのは
自分のことを喋れっていうこと
世界について話すのはその次だ
そうやってみんながみんな自分のことを喋り出して
世界はいろんな方向へ飛び出し
誰とも会えなくなった
道を歩いていた
夏の道を歩いていた
そんな記憶だけが自分の全てだと思いたかった
俺が他人に言いたいことは
世界は平等ではないし
みんな自分の為に生きている
少なくとも自分はそうだと認識したうえで生きていたい
優しさは後から付いて来ない
いつでも上空でさ迷っている
誰かが
誰かはわからないが
世界は平等だって
誰が言ったのかはわからないが
俺達はそう信じ込まされてきた
夏もROCKも全て気のせいだ
本なんか読まなかった
ただ俺はずっと流れだけを見ていた
それだけで世界がわかった
そして多くを見落として
これからも見落とし続けるだろう
夏に
安易な夏に
どこへも行かない
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