蝶/
AKiHiCo
めていた
ゆっくり開閉させる羽根さえ美しいのだと
僕に見せ付けて僕を蔑んで
あまりにも惨めに思えたので
蝶を指で捕まえた
そうしたらどうだろう
醜い鱗粉で羽根を纏って
偽りの美を見せ付けて喜んでいた
僕は罰を与えてやろうと
その蝶を磔刑にした
無駄に殺めたりはしない
誰にも命を奪う権利はないのだから
もちろん僕にもない
地面をゆっくりと這う蝶
あの空が懐かしいのなら羽ばたいて
僕の視界から消えてしまえばいい
その破れた羽根で
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