群青/オオカミ
まばたきするように暮れていった群青に
あなたはなにを覚えたのだろうか
と
スーパーの広告の裏にかいた
一編の詩は
おもったより、しあわせそうで
静かに瞼をとじました
詩人は孤独なのだ
と呟いて遥かをみるあなたは
まるで知らない人みたいだった
それならそんな
詩人なんてつまらないものにはなりたくない
とわたしはおもって
今が在る
穿つのは薬指と小指の間だ
背骨のきしきしというなきごえも
ひねり潰された小鳥の声みたいにきこえるんだよ
くだらない手紙をかいてしまった
嘯いた胸にはやっぱり穴があいてしまい
くるしいいきができない
あの
暮れなずむ群青に
わたしはしあわせをえがき
逃げようのない夕闇にあがき
まばたき、切断、
明けない闇もないが
暮れない青もない
そうしてあなたは
青だった
群青の明ける夏に
わたしはただの詩人
孤独ではないけれど
もっとずっと嘘吐き
群青の明ける夏に
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