夏休み/ノクターン
暑い
日常を紡ぐ事が
半ば義務となり
私をジワリと浸食していく
拒み放り出したくなる気持ちや
上手くやりこなしたいというプライド
足場がぬかるみ
息が詰まった
密林の中
洗濯物を干す手が
蜃気楼のようだ
頑丈に
しなやかに
人生のコイルを
巻いていけると思った
が
充電させる事も
弾む事も
叶わない
深く沈みこんで
ベタベタと
拭っても止まらぬ
汗のように
気持ちが悪い
時に
染みついた日常を
何もかも
洗い流したくなる
あぁ
今朝も
シャワーのような
蝉の声だ
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