country girl/プテラノドン
額に血を滲ませ、倒れこんだ若い兵士が伸ばした手の先に
身体じゅう芝生で覆われたオウムが着地する。正式名称は分からない。
でもまだ赤ちゃんだ。一つも言葉を憶えちゃいない。そして
テープに遺言を残すように、男の口がスローモーションで動いた。
それからオウムは飛んでいった。母親か恋人かわからない
女の名前を呼びながら。
それが、一体誰のことだったのか?とか、その後、ベトナムで
網を手にした母親たちが一堂に介したとかいう話の続きを
庭師である祖父から聞いた。あるいは、灼熱の太陽のもとで
ビーチで寝転んでいた誰かのラジオから、
海岸に響き渡る
大きなスピーカーからも、
繰り返し流される
Country girlを
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