水のなきがら/カンチェルスキス
 




 Tシャツの背中をたどっていく
 汗の粒が
 落ち切る
 急ブレーキのときの感触が、まだ消えない
 喉でとまった騒音
 頭痛の夜に
 有効な腕の力を押し出して
 短冊にされた心肺機能を試す
 ふくらんだ光の輪を
 ふくらんだ沸点のまま
 凍傷の船から片足を投げ出す
 色のついた物が見えにくく
 担いだ懲罰の皿が割れる
 砂に消えた水の
 なきがら



 

戻る   Point(1)