僕しか知らない星達の名前/こめ
 
蝉の鳴き声が響く夏夜

パジャマすがたで汗をかきながら

一心不乱に望遠鏡をのぞき込む

僕の姿がそこにあった

透き通るほどの光り輝く星の雨

アレがどんな星でどんな名前なのかさえ

僕には分からなかった

ただそんなこと知らなくても

星達のメッセージは僕の心に届く

僕しか知らない星達の名前

誰も知らないところで輝く

僕だけの星

一番光り輝いているからといって

綺麗とは思わない

はかなくてもいい

切なくてもいい

光っているのさえ分からないほど

少しでも光り輝く

ひとりぼっちの星が

僕には一番輝いているように見えた

きっとこうして星をみているとき

ほかの何億光年先の星に住む住民も

こうして望遠鏡をのぞき込んで

自分だけの星を捜している


戻る   Point(10)