僕しか知らない星達の名前/こめ
蝉の鳴き声が響く夏夜
パジャマすがたで汗をかきながら
一心不乱に望遠鏡をのぞき込む
僕の姿がそこにあった
透き通るほどの光り輝く星の雨
アレがどんな星でどんな名前なのかさえ
僕には分からなかった
ただそんなこと知らなくても
星達のメッセージは僕の心に届く
僕しか知らない星達の名前
誰も知らないところで輝く
僕だけの星
一番光り輝いているからといって
綺麗とは思わない
はかなくてもいい
切なくてもいい
光っているのさえ分からないほど
少しでも光り輝く
ひとりぼっちの星が
僕には一番輝いているように見えた
きっとこうして星をみているとき
ほかの何億光年先の星に住む住民も
こうして望遠鏡をのぞき込んで
自分だけの星を捜している
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