インターネットの閉鎖性 2/いとう
はなく、自分
自身の内に指標を宿しそれに沿って行動しなければならない。また
さらに、並列であるが故に蓄積が行われない。どんどん新たな人間
が流入してくることも相まって、個々のサイトや人間に進歩はある
ものの、総括的に見れば進歩はないに等しい。何年も同じ地平で堂
々巡りを繰り返し、構造的にそれを打破することができない。
ネット上での詩に深く関われば関わるほど、紙媒体とは異なった
閉鎖性が見えてくる。A氏をさらに憂鬱にさせるのは、インターネ
ット全体が場として閉じている点である。自分の詩を発表できる。
それに対して多くの人から反応をもらえる。評価もしてもらえる。
交流も盛んだ
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