インターネットの閉鎖性 2/いとう
前回登場したA氏の話を続ける。月日が経ち、ネットの海辺で呆
然としていたA氏も素潜りなどできるようになった。詩論を交わせ
る知り合いも幾人かできた。様々なサイトを足繁く覗くうちに素晴
らしい作品を書く詩人もみつけた。自分の趣味に合う場所もあり、
真摯な批評を日々行うこともできる(批評の場が形成されにくいの
は確かだが、批評の場自体は検索等で簡単にみつけられる)。そし
て海辺で呆然としていた頃にはわからなかったが、ネット上の詩は
どうやら思っていたよりも多様なようだ。それこそ「詩」とも呼べ
ないレベルのものを垂れ流している場所もあれば、それぞれに詩に
ついて真剣に考えている場所も
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