プラネタリウムの底/少女的
 
競うように加速してゆく
コットンキャンディーの群れ
夜の芝のうえを 不穏に

湖につづく川面をすべって
あなたの髪のさきに ぼんやりと灯る光を貫いて走る
モンスターのうしろ姿

扁平の空を流れてゆく予感は
鼓動仕掛けのメトロノームにかわって
ドームの中心にいるわたしとあなたのからだを
管へと変えてしまいます

逆さまのプラネタリウムの底

あなたから伝ってくる言葉は
空っぽのわたしの心臓に反響して
星の瞬間を映すたびに
全身をふるわせる

この嵐にときめくあなたの胸に抱かれた反転の世界

まるい、世界のあふれる淵から影を零すのは
歪曲された黒い森でした

オーロラに染まるわたしのつまさき

裸足の指は名前のない星をさし
世界を乱反射するため
ただ 空を向いている


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