何もない店/
けんご
何もない風景を
何もない席に座って眺めている
テーブルの上には
冷たい緑茶と氷
それに煙草と灰皿と携帯
ここはファーストフードの店
何の事件も物語りも始まらない場所
ここでは詩なんて産まれっこない
皮肉なことに僕の馴染みの場所なんだ
このカウンターの向こうでは
汗水たらして働いている人が居るのにね
幽霊みたいに透けてるんだ
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