定休日/よーかん
 
でボクを見て
太い尻尾をユックリと二度

ユラリユラリと
ユックリと二度

喫茶店が閉まっていたから
ぼくはドトールにもどろうとしてた

ウェストが細くて肌が透明な
制服が似合うあの店員が
いたらいいなと期待しながら

曜日とか覚えないのはそのせいかもしれない
曜日とか覚えると楽しみが消える

いるかな
いないかなとか

予定どおりのことばかりだし

スケジュールどおりのことばかりだから
曜日とか覚えると期待がなくなる

あの店員いないかな
そんな期待で十分なんだ

黒い猫はそこに寝そべって
ボクを階段から見下ろして

アクビをするわけでもなく
瞬きをするわけでもなく

何かをはぐらかす
そんな仕草をみせないで

尻尾を二度揺らして
ボクを見つめた

ボクは夕日に照らされた駅裏の
本屋の裏の台湾マサージの階段の下で

黒い猫を見上げて
こう思ってた

黒い猫って
黒い猫だな

黒い猫って
黒い猫なんだな

給料前だったし
まだ人通りも多かったし








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