指に絡むヘビ/
 
 いつしか、かの御心に任せてみたかった

 雄々しくわたしを嘘に導くであろう

 そんな気がした

 それを望んでいた頃に

 それをしたかった

 今は望んではいないのに

 望むのよ

 通り雨の様に不安気で

 通り雨の様にすがすがしい

 わたしのひとひらの悔やみに
 
 うろたえるのはこの手だけ

 体中にまとわりつくこの冒涜に

 すべからく気分を害した

 とこしえにこわばるこの存在は

 全てを憎んでいるし

 過去の全てを愛している
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