思い込みと思い込まないことのあいだ/山内緋呂子
歩道では色を楽しむ。まあ、映画や本、音楽に比べると、何も言わない子供みたいだからだ。
アーケードの花屋さんが、「おべんきょーしますよー」と伝える。
子供の頃、「お花畑に案内する」と言って、近所にある、たんぽぽばかり咲いた空き地へ、友達を連れてった。
「お花畑って、ここ?」
びっくりもされず、喜びもされなかったのでびっくりした。
そういえば喜捨は、買い物をすると必ず店員に
「僕、お勉強好きな人、大好きなんですよね」と言って、帰りに必ず、どの店で意味が通じたか、通じなかったか統計をとった。そうしている時は、あまりごはんを食べなかった。
自分が愛するものは、人も愛する、と思うの
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