サティスファイ ミィ/さくらほ
わたしは
夏を追いかけて
川辺に花火を見に来たはずなのに
自分を満たしに来た事に気づいた
{引用=
父は昔
子供と出かけるより
自分のお店で働く事に熱心だった。
うちのカレンダーには
青も赤もなかった。
けれど夏になると
大きな大きな花火を
爆音で咲く花火を
見せに連れて行ってくれた。
この日だけは
早くお店を閉めて
車に乗って家族で出かける。
いいポイントを見つけて
車を停めて
ダンボールやら
新聞紙を敷いて
わたしたちは
見知らぬ人たちと
肩を並べて
花火を見る。
家族は四人なのに
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