沈んでみても、何も知らないままだった/
霜天
ず
道は二つに分かれていますが
それでも歌を口ずさみながら
私はどこか崩れていくの、です
(それが癒す、ということならば)
同じく、朝にも
誰かの声は消えて
同じく、朝にも
新しい顔に恋をする
沈んでみても、何も知らないままだった
誰かの声が聞こえて
誰かが言葉に直していく
それは空を埋めた四月の桜
もう鳴ることもない夏のサイレン
八月は、同じように繰り返す朝に
もう誰も、泣くことはない
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