硝子の街で/AKiHiCo
 
だろう
どうしてどうして

キミとまたワルツを踊りたいよ
二人きりで言葉はそこには必要なくて
ゆっくり流れる時間の中で微笑んでいたい
でも僕がキミに触れてしまうとキミまで汚染されてしまう
汚れた生き物は僕だけで充分だからキミとは踊れない
ずっとこの部屋にいると決めたんだ
四角い世界に憧れているだけで僕には充分すぎるから

辛くなれば瞼を閉じてしまえばいいんだって最近覚えたよ
暗闇だけが支配する世界が果てしなく続いていて
そこに僕が独りで立っている瞼の裏の世界は広いから
歩くだけで時間が経つのを忘れてしまうんだ
さっきまでの苦痛さえも忘れてしまう
頬を伝うのは涙なんかじゃないよ涙なんかじゃ

ごめんなさい
硝子の街を壊したのは僕なんだ
やっぱりどこにも僕の居場所なんてなかった
想像の街をこっそり叩き割ってしまった
キミとはどこで逢ったっけ
この街だったような気もするけれど


戻る   Point(2)