ぼくはぼくになりたかった/アルビノ
 
子どもみたいだと
続けて嗤う

なに色にも塗り替えられてゆく
踊らされてるのさ
未熟なぼくという種


桜になりたかった
詩人になりたかった
きみに、なりたかった




何度も描いた理想や空想は
ぼくを置き去りにしていった
ひとりぼっちになって
ひとりつぶやいてみる
「本当は、
ぼくはぼくになりたかった」



桜は見事で
詩人は素晴らしくて
きみはきれいだ
だけどどれももう産まれていて
どれも、ぼくじゃない

未完成なぼくという種
ぼくはぼくになりたい
誰でもないぼくに、
ぼくはなりたい


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