無題/
 
その時開いた異空への扉は
やすやすとやすやすと
ベッドから抜け出すように
(あまりに楽しみでいつもより
 ずっとはやく抜け出してしまった)
やすやすと少女を引き込む
少女は慌てる
もがく
わけがわからない
一瞬にして失う
ママ、ママ、ママ

誰かが言う
注意をしたのに
聞こえなかったのね
聞かなかったのか
私はここにいたわ
言われたようにちゃんとここに
言われてないことは
しないほうがいいから
わからないから

子供たちははしゃいでいました
みんな夏がすきでした
まだあの娘はなにも
まだあの娘は

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