星の歌/青色銀河団
水底で青くゆれる渋谷
さなぎのおまえが吐く息
夜明けの衣擦れ
天使の痛ましい肉
天使の持つ寂しい性器
いつか
分解作用によって
ぼくらも
この星になる
星影となって
抽象の翳りになる
幼い海にまどろむ君は
かわいそうな花びらだね
ただよううちに追放されて
過去のなかにも
未来のなかにも
ひとりきり
それでも
結び目を
ほどいてはいけない
地球は大きな鈴なのだから
鈴の音は
別れの夕陽に隠れている
古い練習帳に隠れている
赤子の泣声に隠れている
いったい
誰が鈴を鳴らすのか
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