白紙/暗闇れもん
 
真っ白な紙を前に途方に暮れている
昔なら何も迷わずに
筆いっぱいに色とりどりの絵の具を染み込ませ
描きなぐったのに違いない
誰のことも考えることなく
自分というものをもって
確かに楽しかったかくという行為
わたしはそう、楽しいと思うことを忘れていた
絵を描くこと
詩を書くこと
全ては誰かのためじゃなく
上手く描こう書こうといった欲ではなく
始まりはこの紙のように真っ白な
ただ楽しむために
自分が存在していたように


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