どうしようもないくらいに哀しい夕焼けのうかぶ空/atsuchan69
レそれがもう何十年も続いている
ページを捲ると、
時代が吹き過ぎてゆく
大風のなかを君が立っている
戦車の走る道に、
嵐の夜に、
昨日もその前の日も、
明日も明後日も、
君は洋服の柄も変わらずにじっと立っている
裏切りや
殺戮の果てに残された夕焼けが
いつもより、
一層映えて見えた
君の美しさは、その罪と等しく
死もまたその罪と等しく、
「サヨナラ」
その一瞬を、
大切な君をナイフで傷つけるように刻んだ日々よ!
誰にも変えられない、
どうしようもないくらいに哀しい夕焼けのうかぶ空が
今日もいつかの日と同じように
勝手に暮れてゆくけど
「サヨナラ」
死ぬまで その繰り返しなのかな?
街はたそがれ、
今日も雑踏のなかを
ひとりの老婆が
買い物カートを押しつづけている
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