汗/松本 卓也
 
俯いた太陽が照らすのは
未来だとか希望だとかでなく
今日の瞬間に繰り返す
明日の現実に突きつけられた
小ざかしい本音でしかない

額や背中を伝う汗が
クーラーに冷やされて
身体をなぞるたび
身震いしながら思う

今日と同じように
太陽が昇っては沈み
僕の感情もまた
浮き沈みを繰り返して

いずれ迎える終焉へ
寂しげなカウントダウン
今日も僕の知らない場所で
僕が居なくなるのを感じる

戻る   Point(0)