雲/クラウン
水色の海に
浮かぶ綿菓子
幼い頃は食べられると思っていた
でも 今は
そんな素直な考えはなくて
どうせ水蒸気の固まりで
甘くもないただ浮いているだけの
手でつかめない不思議な綿
お母さん、あれ食べれるの?
そう言っている
小さな子を見る度に
子供の頃の幻想を信じたい
そう思う自分に出会う
卒業アルバムを見てみても
私の夢は『綿菓子職人』
どこまでも尽きることのない
晴れ渡った碧空(へきくう)に
綿菓子を浮かべて
みんなの夢を包みたかった
そして
その夢は
今も変わらない
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