家出少女の置き手紙/海月
 

で箸は進まず
弁当はテーブルの上で順番待ちをしている
数少ない君の心の空間へ
私も吸い込まれて行きそう

食後の一服は切ない味がした
いつもと違う苦く甘い
煙は月に掛かり
いつしか月光はその姿を消していた

君の暗闇を私の風で飛ばせたら
君の心にも光が射すのかな?

刻(とき)は朝焼け
光は一途に薄い紙を照らしている

ありがとう・・・

と、一言書いてあるだけの
君の手紙

優しい陽射しが心に射した
戻る   Point(1)