迷路(十九)/信天翁
 
    末期の梅雨がけたたましく叩きつけている
   ベランダの庇ににびいろをしたアイロニーを
            むしむしする夜のとばり
   その沈潜のなかで机により添おうとしている
          猫背は垂れているシルエット
そして なぜか 天井に映しだされようとしている
          昼間繰り広げた無聊の縮図が
        不眠の自己暗示を助長するように
        覚醒の自己嫌悪を憐憫するように

 
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