ゆうやけくつした/石畑由紀子
 
 
道のひとつも間違えず
毎日を器用に歩きながら
私はここずっと
半分行方不明です


タバコを吸おうと
ベランダの窓を開けると
残りの半分が
風にはためくので


飛ばされないように
また
笑顔を作ってみる


顔に射しこむ夕陽が
こんなに哀しく染みたことなど
今までなかった



戻る   Point(6)