パサヤ・ドニバネには道が一本きりしかない/水在らあらあ
 




(でっかいのが、死んだ。)

風殺すようないかり肩に丸刈りの白髪頭乗せて来るのは あれは
ロブス 漁師で 工房の隣の教会の管理人だ
逆光でも分かる お調子者の いつものいたずらな笑顔が ない

―よう。
―やあ。

過ぎる。過ぎるか。そうか、そうだよな、

(でっかいのが、死んだ。)
(知ってらあ、ちくしょう)

大工仲間のゴルカから 朝一番に聞いた
ホセが 死んだって 心臓麻痺だって
いつも明るかったあの巨漢が 
港の水向けて
ライフルぶっ放してたあいつが
試し撃ちだって 大笑いしながら
俺たちの小船の真横打ちやがった
あいつが


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